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2023年度(令和5年度)ロームシアター京都自主事業ラインアップ

2023年度(令和5年度)ロームシアター京都
自主事業ラインアップ

2023年度自主事業の
企画にあたって

ラインアップテーマ「出会いの旅路、その交点」

「劇場文化をつくる」をミッションに掲げ、ロームシアター京都がリニューアルオープンして、7年が過ぎました。自らが掲げた「劇場文化をつくる」とは、具体的に何を目指すのか、「劇場文化」という言葉の定義は何なのか。多様な事業と劇場運営を通して、これらの問いを、アーティストや観客など、関わる人々と議論し試行錯誤しているのではないかと考えています。輪郭やイメージはありつつも、はっきりとした定義が難しいということが、このミッションの重要さ、大きさを物語っているのかもしれません。また、「つくる」という部分にも注目してみると、「劇場文化」はすでに確立したもの、存在するものを維持するのではなく、これからつくっていくものだと再認識できます。それぞれが考え、更新される目標に向けて、新たな劇場を核としたコミュニティを模索し、劇場の役割を拡張し続けること。私たちは、常にこの旅の途上にあり、その道のりでの出会いや交わりの空間/時間をみなさんと共にしていきます。

2023年度自主事業の
企画にあたって

ラインアップテーマ「出会いの旅路、その交点」

 「劇場文化をつくる」をミッションに掲げ、ロームシアター京都がリニューアルオープンして、7年が過ぎました。自らが掲げた「劇場文化をつくる」とは、具体的に何を目指すのか、「劇場文化」という言葉の定義は何なのか。多様な事業と劇場運営を通して、これらの問いを、アーティストや観客など、関わる人々と議論し試行錯誤しているのではないかと考えています。輪郭やイメージはありつつも、はっきりとした定義が難しいということが、このミッションの重要さ、大きさを物語っているのかもしれません。また、「つくる」という部分にも注目してみると、「劇場文化」はすでに確立したもの、存在するものを維持するのではなく、これからつくっていくものだと再認識できます。それぞれが考え、更新される目標に向けて、新たな劇場を核としたコミュニティを模索し、劇場の役割を拡張し続けること。私たちは、常にこの旅の途上にあり、その道のりでの出会いや交わりの空間/時間をみなさんと共にしていきます。

 2023年度の自主事業ラインアップテーマは、「出会いの旅路、その交点」としています。プログラムには、「さまざまな時代/地域/ジャンル」で紡がれてきた文化や先人の表現を踏まえた歴史性に根差した視点と、そこから飛躍した現代的な視点が交わり、同居する舞台が揃いました。

 劇場の財産となる作品をプロデュースするシリーズ「レパートリーの創造」では、第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展でも話題を呼んだダムタイプのコアメンバー、高谷史郎による新作を発表します。移ろいゆく自然現象にアプローチし、相反するものが共存する日常の中の非日常を描き出します。2021年の中止を経てついに実現するのが、太陽劇団22年ぶりの来日公演です。日本の伝統芸能をリサーチし参照すると同時に、夢の中の日本にある架空の島「金夢島(かねむじま)」を舞台に、現代の諸問題を浮き彫りにします。川口隆夫らによる『バラ色ダンス 純粋性愛批判』では、舞踏におけるエポックメイキングな作品を再解釈し、クリティカルな検証を仕掛けます。そのほか、古今東西の文化からインスパイアを得ながら、それぞれ独自の考えや技術の編み直しを試みる作品たちが登場します。また、ロームシアター京都のプロデュース作品が各地の劇場へ飛び立つ機会や、他分野との協働が増えています。各所で生まれるこれらのネットワークをコミュニティへと発展させるべく、より密接な関係を築いていくことを目指します。
 また作品が創作される背景やプロセス(=旅路)を、上演に加えて、展示やトーク、上映会を実施することで観客と共有します。劇場というプラットフォームに「さまざまな時代/地域/ジャンル」で育まれた知恵や技術を放り込むことで、多くの交点、舞台芸術との刺激的で豊かな出会いを生み出します。特にラーニング、コミュニティといった育成や普及を目的とした事業においては、その学びや体験そのものがそれぞれの人生と交差する場となりえます。ゴールを目指して一直線に進むだけではない、寄り道や遠回りをするなかで遭遇する出来事や人との交点から、複雑化する世界、そして、この困難な時代を生き抜く術が見つかるかもしれません。

 現在でも、新型コロナウイルス感染症流行の影響が長く続いていますが、観客との関係をあきらめないアーティストたちとの協働によって、プログラムを展開してまいります。2022年度のラインアップテーマ「旅」に続く、2023年度もぜひロームシアター京都の活動にご注目いただけたら幸いです。

2023年3月
プログラムディレクター 小倉由佳子

ロームシアター京都 事業企画チームメンバー(2023年3月現在)
<木原里佳、齋藤啓、里見明音、寺田貴美子、枡谷雄一郎、松本花音、山形ゆき>
写真:山地憲太

ロームシアター京都 2023年度自主事業ラインアップ 6つの事業カテゴリー

  • ①作品創造

    劇場の財産となる作品のプロデュースや国内外のアーティストとの協働により、ロームシアター京都を創造の場として活かした事業を展開します。
  • ②京響プログラム

    ロームシアター京都は京都市交響楽団の第2のフランチャイズホールです。音楽のみならず他ジャンルとのコラボレーションなどで京響の新たな魅力を広げます。
  • ③伝統芸能の継承

    日本舞踊、能楽、文楽、雅楽といった古典芸能に加え、地域ごと継がれてきた民俗(郷土)芸能を独自の切り口で紹介し、伝統芸能の面白さを伝えます。
  • ④ロームシアター京都セレクション

    国内外からの選りすぐりの舞台芸術作品をご紹介します。次代を担う若手アーティストの創造支援やKYOTO EXPERIMENTなど京都のさまざまな施設や団体と連携して行うプログラムもあります。
  • ⑤ラーニング

    小中高生、それぞれの年代に応じた育成事業を展開するほか、舞台芸術に関わるレクチャーやリサーチを創作・実践の場と連動して行います。
  • ⑥コミュニティ

    多様なライフスタイルと密着したプログラムや、ホールを飛び出して行う事業などを通して、京都・岡崎地域の施設や団体と連携を深め、地域の活性化に繋げます。
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