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PROGRAM公演・イベント

自主事業

終了

ロームシアター京都×京都芸術センター U35創造支援プログラム”KIPPU”

中川 裕貴「アウト、セーフ、フレーム」

2020年7月31日(金)~ 8月2日(日)

音楽サウスホール
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2020年04月27日更新|新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響により、当初の予定より公演日と会場が変更となりました。
合わせて、臨時休館に伴ったチケット発売日の延期がございます。
  • 中川 裕貴「アウト、セーフ、フレーム」

  • 中川 裕貴「アウト、セーフ、フレーム」

    photo by Takuya Oshima

「分断が“キク”」、音は交じり合う。この場所での異能の「コンサート」について。

チェロを使用した作曲/演奏/演出活動を行う中川裕貴による新作コンサートを開催します。このコンサートでは、演奏という行為、そこから生まれる音、そして音が放たれる場所について思考/試行を続けてきた中川による、音楽コンサート/ホールの中でしか成し得ない新しい「作曲作品」を上演します。

チェロという楽器の中に潜む「声」を様々な演奏手法(電気増幅・変調/打楽器的奏法/擬態=チェロの音を他のモノへと様子を似せること)によって引き出すこと。またその引き出された=現実化された音に、様々なかたちの「介入」が差し挿まれること によって、演奏する身体/演奏される場所・時間・客席に作曲・演出された(或いはされていない)「分断」が現れる。

そのような場所から、音そのものへのアクセス、「きくこと」の行方を探るのがこの上演の目的です。

聴くこと/聴こえなくなること、見えること/見えなくなること/見切れ(本来みえてはいけないものが見えてしまうこと)、音の周りにあるアウト、セーフ、そしてフレームについて。一つにつながっていたものを一旦バラバラにすることから、まだ聴いたことがない「つながり」を体験すること。

「ここにいるうちにどこかで別のことが起こっているかもしれない」その想像 に対して、 演奏 ・音・ 言葉が 与える“別の仕方”とは?
動画

開催日時・会場

2020年7月31日(金)~ 8月2日(日)

会場:サウスホール

2020年7月 31日(金)19時/8月1日(土)13時・19時★/ 2日(日)13時

受付開始・開場は各回開演の60分前
★…8月1日(土)19時終演後、中川裕貴とサウンドデザイン・荒木優光とのトークあり。
◎…託児サービスあり。8月1日(土)13:00 
詳細はページ下部の「託児サービス」をご覧ください。

本公演は新型コロナウイルス感染症対策のため、人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まることを避けるという観点から、会場をノースホール(小ホール)からサウスホール(中ホール)に変更して上演をいたします。
会場の変更に伴い、公演日も変更いたします。当初予定からの変更となりましたことを深くお詫びを申し上げると共に、楽しみにされていた皆様におかれましては、誠に申し訳ございませんが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

公演・作品について

出演・スタッフ

作曲/演奏/演出:中川裕貴
出演:中川裕貴、菊池有里子、横山祥子、出村弘美、穐月萌、武内もも(劇団速度)

サウンドデザイン:荒木優光
舞台監督:北方こだち
照明:十河陽平(RYU)
音響:甲田徹
技術協力:白石晃一
宣伝美術:古谷野慶輔
制作:富田明日香、阪本麻紀

中川裕貴

photo by Takuya Oshima

中川裕貴Yuki Nakagawa

1986年生まれ。演奏と演出をチェロ/電気/適当な録音を使用して行う。演奏行為とそれによって現れる音のあいだに在る「距離」を測ること、また演奏をしながら自身が「そこ/ここ」でどのように存在するかを問うこと(またそれへの頓智)をテーマとする。矛盾した行為(動きながら自分で自分についての距離を測る)が発する音楽への襲来と、音楽からの襲来(応答)について、演奏という行為を通じ考えている。またソロ活動と並行して(中川裕貴)「、バンド」活動や、烏丸ストロークロックを代表とする舞台音楽、その他アーティストとのコラボレーションもいくつか行っている。

新型コロナウィルス感染症の感染予防に関する対策、留意点

新型コロナウィルス感染症の感染予防に関して、ロームシアター京都における対策、留意点をまとめています。ご来場の際は必ずご一読ください。
こちら(PDF)

推薦コメント① 川崎弘二(電子音楽研究)

いまから15 年ほど前に上梓した「日本の電子音楽」という最初の著書のなかで、私はそこに極めて二〇世紀的なかたちで『音とは何か』『音と音との関係とは何か』という根源的な問いが横たわっていたがゆえに、第二次世界大戦後の世界においては現代音楽の流れを汲む電子音楽が人々の関心を集めることになったのだと記した。
たしかに中川裕貴はライブ・エレクトロニクスというスタイルに大きく包含される電子機器を援用した生演奏なども行ってはいるが、そういった形式に留まらずに「根源的な問い」に向かって果敢に挑戦し続けている数少ない音楽家であると思う。武満徹のような作曲家がそこに向かうためにジャンルを越境し、エンジニアとの協働を不可欠としたことと、これまでの中川の歩みとは共鳴するかもしれない。
戦後に旺盛な活躍をみせた音楽家の多くは、音の原理を追求していくなかで電子音楽にも取り組んだものの、それは作家によっては長いキャリアのなかにぽつんと咲く徒花のような存在と化してしまった例も少なくない。今回の中川による演奏会「アウト、セーフ、フレーム」では、その花が実を結ぶであろうことを期待している。

推薦コメント② カミイケタクヤ(美術家)

何年か前にインドネシアで初めて食べたマンゴーの味は日本のマンゴーと呼ばれるものとは違うものでした。
日本の所謂マンゴーはアップルマンゴーという品種改良で甘味を強くしたもので本来のマンゴーとは違うものです。世界中の多くの農作物はそういった農家の人たちの苦労で多くの品種改良を加えられ、美味しく新鮮に保たれるように作られた結果のものだと思います。
しかし本来のマンゴーとは味も触感も違うもの。
中川さんは「音楽」という言葉が嫌いというのが印象的でした。そのどこかのだれかが付けた「音楽」と呼ばれるものを逆品種改良をしているような行為、本質を探すような試みなのかと思います。
中川バンドのメンバーに今回はサウンドデザインに音響作家の荒木優光さん、そしてチェロの自動演奏機構の技術協力には現代美術家の白石晃一さんと、自分も入りたかった。ですが、それぐらい楽しみです。

きっと他では聞いたことのない「声」が響くのだろうと楽しみにしています。

推薦コメント③ 野口順哉(空間現代)

音楽に退屈しているのだろうか。それとも、心躍らされているのだろうか。それさえもよく分からなくなるくらい、音楽という枠組み=フレームそのものが漂い続けるコンサート。中川裕貴は本作において、このような空間を立ち上げようとしているのではないだろうか。

もしそうだとしたら、そこでは本来固定されて然るべきフレームが定位置に収まっていない訳だから、きっとアウト/セーフの在り方だって変わっていくに違いない。普段ならアウト(あるいはセーフ)なものも、今この瞬間はセーフ(あるいはアウト)になっていることの驚きが、あればあるだけ、この作品の示すフレームの強度/可動性は証明されるのだと思う。

しかし、面白い/つまらないという、シンプルだが最も肝心な価値基準を持った観客の目に晒されてもなお、この果敢な試みを成し遂げられるのか。中川裕貴はこうした問題意識をも自覚しつつ、それでも試みることを諦めない、稀有な音楽家だと思う。音楽の、そしてコンサートという形式の、新しい可能性を模索する新作公演、是非多くの方に目撃してほしいと思う。

推薦コメント④ 橋本裕介(ロームシアター京都 プログラムディレクター)

これまで中川さんの演奏を聴いてきたのは、劇伴としての音楽や、緊密な空間でのソロコンサートが主だった。身体と音のいずれかを前景化させるのではなく、双方を編み合わせながら、ある種のナラティブを生み出すことに魅力を感じてきた。

先日「アウト、セーフ、フレーム」の公開リハーサルを観る機会を得て、今までと異なる印象を持つことができた。それは、奥行きと高さをもつ場に音と身体を配置することによって生起する空間性によるものだった。

その空間性というのは、本人が現在の感染症の状況を踏まえて意識している「距離」と関わり、余白に溢れた空間である。何か色鮮やかで密度の高い塊のような空間で圧倒するのではなく、余白が生み出す「間」に多様な解釈をゆるし、心地よい自由を感じさせてくれるものだった。彼の次の可能性をひらくコンサートになるだろう。

推薦コメント⑤ 小濱昭博(俳優/劇団 短距離男道ミサイル)

中川裕貴について。

彼は大樹のような圧倒的な揺るがなさ、そして猫のような気品とを感じさせてくれる稀有なパフォーマーだと、私は判断している。

日々移り変わり続けるこのコロナ禍の中において、わたしたちは、今まで築いてきた「他者」と触れ合うこと、語り合うこと、距離感をはかること、そういった文化的営みの根幹を揺るがされ、これからのわたしたちは「どのように存在していくのか」あり方を問われ続けている。

価値があったように信じていたのはわたしだけなのかもしれないと、虚脱するような徒労感に苛まれる出来事も多く、道行きは不透明だ。

そのような中、彼が、劇場という波止場から、
彼が道しるべもなしに、響きをもちいて、現実を照射しようというではないか。

痺れるような彼の覚悟と彼が生み出す響きと、そこに立ち会う自分を夢想してみる。

普段より贅沢な、いつもより余白のある劇場で、その響きは強く、私の中に残るだろう。

推薦コメント⑥ 柳沼昭徳(劇作家・演出家/烏丸ストロークロック)

彼は業界的には現代音楽の部類にいるらしいが、私はそれがふさわしいのかはよくわからない。またミュージシャンという肩書にも不足を覚えている。音楽というものが人の心を高ぶらせたり、陶酔させることは知っているが、中川裕貴は違う。彼が実行しようとしているのは、音楽的な行為によって生じる未知なる現象なのだ。
彼の舞台と出会って、音楽は目撃することでもあることを知る。また、それは演奏の目撃といった生易しいものではないことも知る。まるでコンクリートに鉄杭を素手でぶっ刺しているとでも言うべき、強靭で、そしてとてつもなく愚かな行為だ。
音楽が、そう呼ばれるはるか昔、人々を憂き世から力まかせに引き剥がした仕業がここにある。

主催:中川裕貴
共催:ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)、京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)、京都市

ロームシアター京都×京都芸術センター U35創造支援プログラム”KIPPU”とは?:

次代を担う若手アーティストが京都から羽ばたく!新たな創造支援プログラムの3年目。
若手アーティストの発掘と育成を目的に、ロームシアター京都と京都芸術センターが協働して行う創作支援プログラム“KIPPU”。3年目は、中川裕貴(京都)、シラカン(神奈川)、スペースノットブランク(東京)の3組を採択しました。
チェロという楽器の中に潜む「声」を様々な演奏手法によって引き出し、枠組みや境界、フレームの存在/非存在を考えることを”音楽コンサート/ホール”の形式の中で試みる活動を行う中川裕貴。この世界に存在はするけれど目に見えないモノ・コト(例えば四季、死、花粉症)を過剰な見立てや奇抜な美術の中、独特な言い回しの会話を中心に可視化させ、観客に向け表現するシラカン。新しい表現思考や制作手法を開発しながら舞台芸術の在り方と価値を探究し、環境や人との関わり合いと自然なコミュニケーションを基に有機的な作品を創造するスペースノットブランク。
個性あふれる3団体のフレッシュな感覚によって、ロームシアター京都にどのような空間が立ち上がるのか、ご期待ください。

お問い合わせ

チケット購入・予約

チケット料金

全席自由席
一般 3,000円
ユース(25歳以下)2,000円
高校生以下1,000円
※ユース、高校生以下は入場時証明書提示
12歳以下 無料(要予約)
※12歳以下の予約は「中川裕貴WEB」のみにて取扱い

先行発売日

2020年6月1日(月)
※ロームシアター京都フレンズ会員(オンライン会員)、Club会員(京都コンサートホール・ロームシアター京都共通の会員制度)・京響友の会会員

一般発売日

2020年6月5日(金)

チケット取扱窓口

  • ロームシアター京都オンラインチケット
  • ロームシアター京都チケットカウンター[窓口・電話 TEL.075-746-3201(10:00~17:00、年中無休 ※臨時休館日等により変更の場合あり)]
  • 京都コンサートホールチケットカウンター[窓口・電話 TEL.075-711-3231(10:00~17:00、第1・3月曜休 ※祝日の場合は翌日)]

託児サービス

託児サービス:
8月1日(土)13:00の回は託児サービスをご用意しております。

■対象年齢:生後3ヵ月~12歳まで
■料金:有料 1,000円(税込) /1公演/お子様1人あたり ※キャンセルの場合は必ずご連絡をお願い致します。 ※ご利用料金については、キャンセルの場合も発生致します事、予めご了承下さい。
■委託先:有限会社ノトス 公益社団法人全国保育サービス協会(ACSA)正会員
■保険:不測の事故に対応するために、有限会社ノトスが保険に加入しており、保険適用範囲で補償いたします。 ロームシアター京都は事故の責任は負わないことを申し添えます。
■申込方法  お申込みについてはロームシアター京都までお問合せください。TEL.075-771-6051(10:00~17:00)

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