オペラ『蝶々夫人』の構造をひっくり返し、日本/女性からの視点で西洋/男性を描き、人種やジェンダーなどの
先入観を痛烈に問い直す、市原佐都子の意欲作がいよいよ日本初演!
西洋/男性からの視点で日本/女性が描かれたジャコモ・プッチーニのオペラ『蝶々夫人』を原案に、その構造をひっくり返し、日本/女性からの視点で西洋/男性を描き、人種やジェンダーなどの先入観を痛烈に問い直します。
チューリヒ・シアター・スペクタクル(スイス)での初演後 、ウィーン芸術週間やミュンヘン・シュピラート演劇祭等でも上演され、世界的にも注目を集めている今作を、コロナ禍での延期を経て、いよいよ日本で上演します。今回の日本公演地は京都・豊岡(兵庫県)の関西2会場のみとなります。
※2022年2月26日(土)、27日(日)に予定していた公演の延期開催です。
開催日時・会場
2022年9月15日(木)~ 9月17日(土)
15日(木) 19:00開演
16日(金) 19:00開演
17日(土) 14:00開演 ★
★託児サービスあり。下欄「託児サービス」をご覧ください。
会場:ノースホール
上演時間:約1時間45分
公演・作品について
キャスト・スタッフ
作・演出:市原佐都子
出演:竹中香子、Yan Balistoy、Sascha Ö. Soydan、Brandy Butler(映像のみ)
ドラマトゥルク:Tine Milz
美術・衣装:Stefan Britze
映像:Juan Ferrari
翻訳:オガワアヤ
上演言語
日本語・ドイツ語・英語(日本語字幕あり)
プロフィール
© Flavio Karrer
市原佐都子Satoko Ichihara
劇作家・演出家・小説家・城崎国際アートセンター芸術監督。1988年大阪府生まれ福岡県育ち。桜美林大学にて演劇を学び、2011年よりQ 始動。人間の行動や身体にまつわる生理、その違和感を独自の言語センスと身体感覚で捉えた劇作、演出を行う。2011年、戯曲『虫』にて第11回 AAF 戯曲賞受賞。2017年『毛美子不毛話』が第61回岸田國士戯曲賞最終候補となる。2019年に初の小説集『マミトの天使』を出版。同年『バッコスの信女 ─ ホルスタインの雌』をあいちトリエンナーレにて初演。同作にて第64回岸田國士戯曲賞受賞。2021年、ノイマルクト劇場(チューリッヒ)と共同制作した『Madama Butterfly』をチューリヒ・シアター・スペクタクル、ミュンヘン・シュピラート演劇祭等で上演。2022年1月にロームシアター京都レパートリーの創造にて『妖精の問題 デラックス』を上演。
日本公演にあたっての推薦コメント
市原戯曲に触れた人間は無傷ではいられない。
ある者は大量の涙を流し、ある者は怒り出し、ある者は呆然とする。
今回の「Madama Butterfly」もその例外ではない。
西洋人白人男性たちの手によって戯曲やオペラに祭り上げられ、
「蝶々夫人」という物語を演じさせられ続けてきた長崎の少女は、
100年以上の時を経て市原の手で蘇り、逆襲を試みる。
それはありえない喜劇的フィクションであると同時に、
どこにでもありうる悲劇的現実でもある。
そしてそれは「私自身の物語」でないと、誰が言い切れるだろうか?
ぜひ確かめに足を運んでほしい。
相馬千秋氏(世界演劇祭2023プログラム・ディレクター)より
市原佐都子版『Madama Butterfly(蝶々夫人)』は、このヤバいオペラの上演に関わってきた誰もが「まぁ、いいか」とスルーし続けてきた問題に真正面から切り込んだ演劇作品です。現代社会に蔓延るノイズは一切キャンセルされず、聞き心地の良い音楽に慣れたウィーンの客席からは驚きが伝わってきました。3カ国語で語られる市原さんのテキストが蝶々さんの祖国ではどのように響くのか、今からとても楽しみです!
横堀応彦氏(ドラマトゥルク、舞台芸術研究者)より
これまでの舞台評より
一方には深く根ざした西洋への魅了、他方には自らのアイデンティティの拒絶がある。そうして蝶々/バタフライは「ガイジンの追っかけ」になり、自らの美の欠如を「修正」すべく、「ハーフ」(日本語で混血の子どもを指す言葉)の子どもを産むことを夢見る。市原においては、蝶々という形象は悲劇的な人物ではなく、「ガイジンの追っかけ」の典型的な人物であり、外国人、とりわけ白人にしか魅力を感じない女性である(これは日本においてまだアクチュアリティを失っていない)。「東洋」という幻想から自由になった登場人物の人間性は、刺激味の強いユーモアからその深さが測られる。
(中略)
要するに、市原は、観客を笑わせつつも、オペラ作品の西洋崇拝とオリエンタリズムの幻想の馬鹿げた真実を言わせるのみである。だが同時に、オリエンタリズムの幻想を分析し、そこに内在するセクシズムのみならず、とりわけ現実世界における馬鹿馬鹿しさを見せるような、上演を貫く批評意識を見ずにいることも不可能である。物言いの率直さは、人によっては俗悪だと捉えるかもしれないほどに達するのだが、ユーモアと、いかなる婉曲もなく事実に即した実演にとっては有用である。誇張表現さえも、その中に一粒の真実が含まれている限りにおいて、私たちに考えることを促すのだ。
西洋のフェミニズムの紋切り型と戯れてみせる勇気は、日本人女性は自らの解放のために西洋のフェミニズムの助けなど必要としていないという言外のメッセージを伝えている。彼女たちに必要なのは、西洋崇拝をありのままに捉え、自らの頭からそれを追い出すことなのだ。だが、この結論は日本人女性にのみではなく、考えることに頭の一部を残しておいて、自分なりの結論に達するような観客に対しても向けられている。市原の目的は観客に道徳を垂れることではなく、考えさせることにあるからだ。
(ヴィンダ・ミグナ、2022年5月26日、La revue du spectacle)
輸入された美のイメージと<日本人女性>に対する典型的な外からの視点がこの悲劇を生み出し、市原佐都子は高度なウィットと自己内省でそれをより豊かなものにする。
(中略)
本作の基本をなすのは、俳優とスクリーンに投影されたアバター(例えば(金髪の)セーラームーンのコスプレをしたケイト・ピンカートン)とのコミュニケーションである。いずれにしても、市原版Madama Butterflyはラディカルな設定により文化的帰属についての議論を活性化する。
(リサ・カマン、2022年5月17日、デア・スタンダード紙)
チラシ
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関連企画
舞台芸術プロデュース講座 演劇・ダンス編 プレ企画 ドラマトゥルクの仕事
講師:Tine Milz(ノイマルクト劇場)
日時:2022年9月17日(土)16:30
会場:ロームシアター京都 パークプラザ3階会議室
参加料:無料・要事前申込(定員15名先着順)
申込開始:8月19日(金)~ ロームシアター京都ウェブサイトより申込ください。
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【9月14日(水)更新】定員に達したため、受付を終了いたしました。
新型コロナウイルス感染症の感染予防に関する対策、留意点
新型コロナウイルス感染症の感染予防に関して、ロームシアター京都における対策、留意点をまとめています。必ずご一読ください。
新型コロナウイルス感染症対策に伴うお知らせのページ
主催:ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)、京都市、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会
製作:ノイマルクト劇場
共同製作:一般社団法人Q、シアターコモンズ、チューリヒ・シアター・スペクタクル
制作協力:城崎国際アートセンター
後援:在日スイス大使館
文化庁 統括団体によるアートキャラバン事業(コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業)、「JAPAN LIVE YELL project」、ステージ インキュベーション キョウト
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ロームシアター京都 チケットカウンター TEL:075-746-3201
チケット購入・予約
チケット料金
全席自由一般3,500 円、ユース(25 歳以下)2,000 円、18 歳以下1,000 円
※推奨年齢中学生以上
先行発売日
2022年7月8日(金)
※フレンズ会員(オンライン会員)、Club会員(京都コンサートホール・ロームシアター京都共通の会員制度)・京響友の会会員
一般発売日
2022年7月15日(金)
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託児サービス
下記の申込要領をご確認の上、Eメールかお電話にてご予約ください。
委託先 :㈱ウィズグループ京都オフィス(全国保育サービス協会会員)
開催日時:2022年9月17日(土) 13:15~終演15分後まで。
申込締切:2022年9月10日(土) ※電話受付は18:00まで
託児人数:託児スペースの関係上、お預かりできる人数に限りがあります。
定員になり次第、受付を終了させていただきますので、予めご了承ください。
対象年齢:3か月~12歳未満
料金:有料 1,000円(税込) /1公演/お子様1人あたり
※公演当日、託児会場にてお支払いください。
※キャンセルの場合は必ずご連絡をお願い致します。
※ご利用料金については、キャンセルの場合も発生致します事、予めご了承下さい。
◆Eメール⇒メールアドレス:kyoto-office☆with-g.com(☆を@に変えてお送りください)
件名 ⇒9/17ロームシアター京都 託児室希望
本文 ⇒ 保護者様氏名(ふりがな)
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お子さまのお名前(ふりがな)
性別・年齢(生年月日)
その他、アレルギーや健康状態など託児上の注意点
※お申込が完了しましたらメールにてご連絡差し上げます。数日お時間を頂戴する可能性もございますのでご了承ください。申込締切日までに返信メールが届かない場合は、お手数をお掛けしますが、お電話にてご連絡ください。
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◆お電話⇒0120-470-077(フリーダイヤル)または075-343-6787
上記と同内容をお尋ねします。
※電話受付時間:平日・土曜日 9:00~18:00
※集団保育でお過ごしになる際のお子様のご様子で気になる点など、特に「アレルギーや医師からの診断事項等留意点、集団保育でお過ごしになる際のお子様のご様子で気になる点」については、託児を行う上で重要となりますので、必ず事前にお知らせください。