チェロとDJが開発する、音の新領域
令和6年度京都市芸術文化特別奨励者・中川裕貴の最新作を京都で!
DJ:1729
出演:中川裕貴、出村弘美、穐月萌、1729
開催日時・会場
2024年12月28日(土)、12月29日(日)
28日(土)13:00/18:00☆
29日(日)13:00★
☆終演後に中川裕貴とゲスト(足立智美氏)によるトークイベントを実施予定(プロフィールを下部に記載)
★託児サービスあり(要事前予約)。詳細・お申込みは下部の「託児サービス」をご確認ください。
※受付開始は開演の1時間前、開場は30分前
会場:ノースホール
上演時間:約100分
公演・作品について
公演について
チェロを主体として作曲・演奏・演出活動を行う音楽家/演奏家の中川裕貴による約4年ぶりとなる新作コンサート「弭(ゆはず)」を開催します。
弭という文字は「ゆはず」と読み、弓道などで用いる弓の両端にある「弦(つる)をかける場所」のことを指します。
このコンサートはその文字通り、弓と耳という2つの側面、そしてそれに関係する「チェロ」が中心に添えられ、ヒトの声に近い成分をもつと言われる楽器から、さまざまな「声」を、「弓」が引き出し、観客の「耳」に届けます。
また今回のコンサートでは新たな試みとして、会場に「DJ(ディスクジョッキー)」がいます。
録音物を収集、吟味、推敲し、混ぜ合わせ、再構築し、ターンテーブルとCDJを複数台掛け合わせて複雑なサウンドコラージュを目指す「1729」は、DJの中でも異端かつ、誰もが説明に困る奇妙で曖昧な存在であるかもしれません。彼女は2022年まで”威力”名義で活動し、現在はクラブシーンのみならず、YCAM(山口情報芸術センター)や九州大学音響特殊棟などに活動の幅を広げ、「聴く」ことの根源的な領域にアクセスするようなパフォーマンスを行っています。
今回はこのDJとチェロという「両端」によって、何かを「かけ」ます。
さらに中川のコンサートにこれまでも数多く出演し、演奏やパフォーマンス、そして意味の「下限」を浮き沈みさせるような「行為」を続けてきた出村弘美、穐月萌も参加。この4人の持つ要素が絡み合いながら生まれる時間と空間は、タイトルである「弭(ゆはず)」という音をズラした「いわず」と、そこから派生する「静寂(サイレンス)」の現在進行形の「かたち」が提示されると同時に、私たちが生きるこの時代のありさまが照らされることになるでしょう。
作品について
「弭」という文字について、言葉遊びをしてみます。
弭、ゆはず、You haze( 訳すと「あなたが霞んでいる」という意味)。
「ゆはず」→「ゆわず」→言わず=(I/You/We/They)don’t say。
そして「言わないこと」は静寂(サイレンス)と関係があります。
弓や耳、そして声。言わないこと。 サイレンス。 行動すること。
意志があること/ないこと。リスニング、トーキング、シンキング。
そしてそこに無音や中断が差し挟まれること。 ゆはずは「弦(つる)をかける場所」を指します。
「弭」という文字から生まれるイメージを、「コンサート(Concert)」という、そのことばの一部に「共に」「子孫」「対抗」という意味を持つイベントへ運ぼうとしています。
約4年前のロームシアター京都でのコンサートでは、わたしたちの
ほとんどは「マスク」と呼ばれるものを「耳」にかけていました。
それから月日が経ち、今、私たちの耳は、
なにを「かけて(掛けて、賭けて、欠けて…)」、ここにいるのでしょうか。
このコンサートでは、今、ここから未来に向かって延びる、とある「疎密」をコンサート会場に集まるみなさんと共に創りたいと考えています。
中川 裕貴
プロフィール
中川裕貴Yuki Nakagawa
1986年生まれ、三重/京都在住の音楽家。チェロを独学で学び、そこから独自の作曲、演奏活動を行う。人間の「声」に最も近いとも言われる「チェロ」という楽器を使用しながら、同時にチェロを打楽器のように使用する特殊奏法や自作の弓を使用した演奏を行う。音楽以外の表現形式との交流も長く、様々な団体やアーティスト(烏丸ストロークロック、森村泰昌、渡邉尚など)への音楽提供や共同パフォーマンスも継続して行っている。また2022年からは音楽家・日野浩志郎とのDUOプロジェクト「KAKUHAN」がスタートしている。
近年のコンサート作品として、「ここでひくことについて(2019)」@京都芸術センター、「アウト、セーフ、フレーム(2020)」@ロームシアター京都サウスホール(ロームシアター京都×京都芸術センター U35創造支援プログラム“KIPPU”)などがある。
同志社大学工学部情報システムデザイン学科卒業。京都市立芸術大学大学院音楽研究科修了(音楽学)。令和6年度京都市芸術文化特別奨励者。
スタッフ
舞台監督: 北方こだち
音響:甲田徹
照明: 十河陽平
宣伝美術: 古谷野慶輔
制作:平野春菜
アフタートークゲスト(12/28(土)18:00回)
© Guillaume Kerhervé/ Maison de la Poésie de Nantes
足立智美 Tomomi Adachi
CLUB METROで開催された実験音楽イベント「地底の響き」(2023年)にて中川と共演した国際的アーティスト・足立智美氏をお招きします。
音を一つの軸としながらも、固定の表現にとらわれず領域横断的なプロジェクトを展開し、唯一無二のパフォーマーでもある足立氏。「弭」をどのように見て、聴いたのか、中川との対談形式でお届けします。どうぞお楽しみに。
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足立智美さんの存在を知ったのは15年以上前、intoxicate(タワーレコードが発行していた冊子)の中で、とある現代音楽家を論じている文章からでした。今手元に冊子が無いのでおぼろげな記憶からその文章を要点を思い出すと、それは「楽器の特殊奏法は、聴くことから見ることへの移行を促すものである」ということだったと思います(ここで言われていたのは、楽器で「特殊」な音が出されるとき、観客はそれを聴くというよりも、「どうなってるのか?」と見る方向へと向かうということだったと記憶しています)。
当時まだ20代、楽器もまともに弾けない私は、普通の演奏ではなく「特殊」な演奏こそが、私たちの視聴覚の往復を引き起こすということに興奮し、その文章の大意を頭の片隅においてこれまで活動を続けてきました。
そして時は流れ、何が「特殊」なのか、そして「音楽」に特有のものが何なのかが最早分からない時に来ている実感があります。
あのとき私に「特殊」な夢を見させてくれた足立さんと、この現在という特異な場所で、自身の作品を足掛かりに「現代音楽」ではなく、現代と音楽の話ができればと考えています。
中川裕貴
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*別の公演回のチケットをお持ちの方も、トークにご参加いただけます。
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主催:中川裕貴
共催:ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)京都芸術センター制作支援事業
お問い合わせ
中川裕貴 yukinakagawa.band★gmail.com
※★を@に変え、お送りください
チケット購入・予約
チケット料金
全席自由早割:3,000円 * 一般前売:3,500円 U25前売:2,000円
*早割は数量限定。公演初日の3週間前(12/7(土) 23:59)までの販売。
※当日券は500円増、未就学児入場不可
※ U25のチケットご購入の方は、当日受付にて身分証のご提示をお願いします。
一般発売日
2024年8月20日(火)
10:00~
チケット取扱窓口
- ロームシアター京都オンラインチケット
- ロームシアター京都チケットカウンター[窓口・電話 TEL.075-746-3201(10:00~17:00、年中無休 ※臨時休館日等により変更の場合あり)]
- 京都コンサートホールチケットカウンター[窓口・電話 TEL.075-711-3231(10:00~17:00、第1・3月曜休 ※祝日の場合は翌日)]
Peatix
グッズ付き早割チケットをPeatixで限定販売!(数量限定、先着順)
※早割チケットのグッズは公演当日に受付で引き換えます。
観劇サポート
※車椅子でご来場の方は、メールにてご連絡ください。
託児サービス
小さなお子さまをお連れの方も安心してゆっくりと舞台をお楽しみいただけるよう、
託児サービスを実施いたします。下記の申込要領をご確認の上、お申し込みフォーム
にてご予約ください。
委託先:(株)スマイルライフ 京都オフィス(全国保育サービス協会会員)
開催日時:2024年12月29日(日) 12:15~終演15分後まで。
申込締切:2024年12月22日(日)
託児人数:託児スペースの関係上、お預かりできる人数に限りがあります。
定員になり次第、受付を終了させていただきますので、予めご了承ください。
対象年齢:3か月~就学前
料金:有料 1,000円(税込) /1公演/お子様1人あたり
※料金は公演当日、託児会場にてお支払いください。
※キャンセルの場合は必ずご連絡をお願い致します。実施日1週間前を過ぎてのキャ
ンセルの場合、ご利用料金が発生致しますので予めご了承ください。
※申込締切日以降のご希望は「中川裕貴 yukinakagawa.band★gmail.com」までご相談ください。
※★を@に変え、「託児申込」としてお送りください。
■お申込みフォーム
https://forms.gle/KT16qYYkd4eSU2bs5