メインアーティストを務める荒木優光は、聴くことの創造性をユーモラスに追求し、パフォーマンスやインスタレーションなどの多岐にわたる作品を発表しています。その荒木の創作の原点に立ち返ることから始め、わたしたちを取り巻く音の総体について、身近な視点から分解・観察することでみえてくる「音-音楽」の境界をともに漂うプログラムです。
※参加申込受付は終了いたしました。
テーマ|げんし
原始 自然のまま、未発達、未開発、おおもと、はじめ
原子 最小の微粒子 アトム 事物を構成する微小存在
幻視 実際にはないものがあたかもあるように見えること
空き地は開かれる
空き地に家を建てるとなれば、その作業が始まる。工務店や建築士、大工さんなどがわらわらと来ることになる。そこで、家を建てることを全員が忘れたらどうなるだろうか、と想像してみたい。持ってきた資材はある。工具はある。防音シートもある。腕利きの大工さんも職人さんもいる。謎の図面もある。程なくして建築士や工務店の担当者も車でやってきて、ヘルメット被って、やはり空き地で全部忘れた。その時の、顔、佇まい、それぞれの立ち位置。ヘルメットとは。もちろん、帰ることもできる。でも、気になると思う。何故我々はここに来ているのか。帰らずに、その宙吊りにされた状態で「何か忘れてる気がするけど、思い出せず」に静かにもがき続けたい。電動ノコギリで木材を切り、立ててみたり、接合してみたり、転がしたり、時には数人でやってみたり。足場を組んで高い所で寝転んだり、工具を飾ってみたり、ただ電動ノコギリを回して皆で見たり、火花を楽しんだり…。そういった状態を、何だと言えようか。この、家になりそうな気配ムンムンで、家になり得そうにない、でも奇跡的に家になるかもしれない、ここへ、まずは行きたい。そうして当て所なく、狭間のような時空間で生じる音響・サウンドスケープは、我々にどのような幻視をもたらすのだろうか。
荒木優光
開催日時・会場
2024年5月6日(月)、5月17日(金)、6月8日(土)
5月6日(月・祝)14:00~17:00
5月17日(金)19:00~21:00
6月8日(土)14:00~17:00
※各回開始15分前より開場
会場:ノースホール
公演・作品について
出演・スタッフ
アーティスト:荒⽊優光
kai maetani
荒木優光Masamitsu Araki
1981年山形県生まれ、京都市在住。アーティスト、サウンドデザイナー、音楽家。音楽の周縁に立つことを起点として、音や映像、声、サイトスペシフィックな要素を取り入れた作品をインスタレーションやパフォーマンス、コンサート、ツアー、音源など多岐にわたる形態で発表する。近年の個展に「ダンスしないか?」(長野県立美術館アートラボ、長野、2022)、「そよ風のような、出会い」(gallery αM、東京、2022)、「わたしとゾンビ」(京都市京セラ美術館ザ・トライアングル、京都、2020)がある。グループ展に「モノラルズ」(WHITEHOUSE、東京、2023)、200年をたがやす(秋田市文化創造館、秋田、2022)、「としのこえ、とちのうた」(旧豊田市東高等学校、豊田、2019)など。コンサートやパフォーマンス作品に「Paradise Lost」(SPA of Narratives、城崎国際アートセンター、2023)、「サウンドトラックフォーミッドナイト屯」(KYOTOEXPERIMENT 2021 AUTUMN、比叡山山頂駐車場)、「パブリックアドレス 音場」(Kunstenfestivaldesarts 2021、ブリュッセル)、「ゾンビとサウンドトラック」(京都市京セラ美術館 講演室、京都、2021)など。また、サウンドデザイナーとしてのコラボレーションも多く、アーティストコレクティヴARCHIVES PAY、音楽グループNEW MANUKEのメンバーとしても活動する。
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主催:ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)、京都市
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助成:
文化庁文化芸術振興費補助金
劇場・音楽堂等機能強化推進事業(劇場・音楽堂等機能強化総合支援事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
お問い合わせ
ロームシアター京都 075-771-6051