日本語を母語としない俳優との創作がひらく「演劇と言語」の未来
いくつものリアリティが交差する、まだ見ぬSF演劇
チェルフィッチュ主宰の岡田利規は、日本語を母語としない俳優が、発音や文法が「正しくない」という理由で、演技力を評価されない日本演劇のありように着目する。2021年には、演劇における日本語の可能性をひらくことを目指し、ノン・ネイティブ日本語話者との協働プロジェクトを始動。本作はその一環として行われたワークショップやトークイベント、オーディションを経て選出した俳優とともにつくり上げられた。
言語の定義とは? 文化や社会、政治と結びつく言語の純粋性は可能か? 多彩な背景をもつ俳優が日本語で演じる姿に、私たちは自問するだろう。チェルフィッチュ最新作の関西初上演をお見逃しなく。
※日本語上演
開催日時・会場
2023年9月30日(土)~ 10月3日(火)
9月30日(土)18:00
10月1日(日)13:00☆/18:00
10月2日(月)14:00/19:00
10月3日(火)14:00★/19:00
☆託児サービスあり(要事前予約/各公演7日前まで)
★ポスト・パフォーマンス・トーク あり
会場:ノースホール
上演時間:90分(予定)
公演・作品について
重大なミッションを果たすべく、イン・ビトゥイーン号が、四人の乗組員と一体のアンドロイドを載せて、宇宙を漂泊しています――
『宇宙船イン・ビトゥイーン号の窓』では、内容的な〈リアリティ〉と形式的な〈リアリティ〉、どちらの〈リアリティ〉も複数、並列的に提示されます。
演劇において、舞台の上で、せりふがある言語で発される……。
そのことの意味・機能についても、『宇宙船イン・ビトゥイーン号の窓』では複数のそれらが提示されます。
それは、あたかもマルチヴァースのようだ、と言えるかもです。
『宇宙船イン・ビトゥイーン号の窓』は、「日本語を母語としない俳優が日本語で演じる演劇」と聞いて多くの人がイメージするとおぼしきもの、とはおよそ異なるすがた・かたち・はたらきを備えた演劇作品です。
岡田利規
出演・スタッフ
作・演出:岡田利規
出演:安藤真理、徐秋成、ティナ・ロズネル、ネス・ロケ、ロバート・ツェツシェ、米川幸リオン
舞台美術:佐々木文美
音響:中原楽(LUFTZUG)
サウンドデザイナー:佐藤公俊
照明:吉本有輝子
衣裳:藤谷香子
舞台監督:川上大二郎(スケラボ)
[東京公演]舞台監督アシスタント:山田朋佳
[京都公演]照明オペレーター:吉田一弥
演出助手:山本ジャスティン伊等(Dr. Holiday Laboratory)
英語翻訳:オガワアヤ
宣伝美術:牧寿次郎
アートワーク:平山昌尚
プロデューサー:黄木多美子(precog)、水野恵美(precog)
プロジェクトマネージャー:遠藤七海
プロジェクトアシスタント:村上瑛真(precog)
プロフィール
岡田利規Toshiki Okada
演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰。演劇作家として、演劇カンパニーチェルフィッチュでの活動のほか、日本やドイツなどの劇場との作品創作も多数。2016年から2020年の4シーズンにわたって、ミュンヘン・カンマーシュピーレ(ドイツ)にてレパートリー作品の作・演出を務め、4作目『The Vacuum Cleaner』(2020)がベルリン演劇祭Theatertreffenに選出。2022年1月タリア劇場(ハンブルク/ドイツ)で創作した『Doughnuts』も同演劇祭に選出された。ロームシアター京都では2019年から2022年にかけて「劇場の学校」講師を務めた。小説家としては2007年にデビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』を発表し、翌2008年第二回大江健三郎賞受賞。2022年『ブロッコリー・レボリューション』(新潮社)が第35回三島由紀夫賞受賞、第64回熊日文学賞を受賞。
チェルフィッチュchelfitsch
岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニーとして1997年に設立。2007年クンステン・フェスティバル・デザール(ブリュッセル、ベルギー)にて『三月の5日間』を上演、初めての国外進出を果たす。以降、アジア、欧州、北米にわたる90都市以上で上演。フェスティバル・ドートンヌ・パリ(フランス)、ウィーン芸術週間(オーストリア)など世界有数のフェスティバル・劇場の委嘱および国際共同製作による創作も多数。KYOTO EXPERIMENT 2019では、美術家の金氏徹平をセノグラフィーに迎え、「人間中心主義からの逸脱」をテーマに「モノと人」との関係を問い直した『消しゴム山』を初演。2023年5月にはウィーン芸術週間(オーストリア)にて、引き続き「人間中心主義からの逸脱」を描く新作音楽劇『リビングルームのメタモルフォーシス』を作曲家の藤倉大との協働により制作、世界初演を迎えた。
ノン・ネイティブ日本語話者との演劇プロジェクトについて
演劇は、俳優の属性と役柄が一致せずとも成立するものです。それにも関わらず、日本語が母語ではない俳優はその発音や文法が「正しくない」という理由で、本人の演劇的な能力とは異なる部分で評価をされがちである、という現状があります。
ドイツの劇場の創作現場で、非ネイティブの俳優が言語の流暢さではなく本質的な演技力に対して評価されるのを目の当たりにした岡田は、一般的に正しいとされる日本語が優位にある日本語演劇のありようを疑い、日本語の可能性を開くべく、日本語を母語としない俳優との協働を構想しました。
2021年よりチェルフィッチュはワークショップやトークイベントを通してプロジェクトへの参加者と出会い、考えを深めてきました。2023年3-4月にはこれまでのワークショップ参加者を対象にオーディションを実施、選ばれた4名とともに『宇宙船イン・ビトゥイーン号の窓』を創作・発表します。
今後も活動を継続し、このような取り組みが他の作り手にも広がることで、日本語が母語ではない俳優たちの活動機会が増え、創作の場がより開かれた豊かなものになることを目指します。
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主催:京都国際舞台芸術祭実行委員会 [ 京都市、ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)、京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)、京都芸術大学 舞台芸術研究センター、THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都)]
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企画制作:株式会社precog
製作:一般社団法人チェルフィッチュ
共同製作:KYOTO EXPERIMENT -
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(国際芸術交流支
援))|独立行政法人日本芸術文化振興会、一般財団法人地域創造[舞台芸術を通して考える身体/歴史/アイデンティティ]
お問い合わせ
KYOTO EXPERIMENT 事務局 TEL:075-213-5839
チケット購入・予約
チケット料金
一般 4,000円、ユース(25歳以下)・学生 3,000円、高校生 1,000円、ペア 7,500円※ユース・学生・高校生以下券は当日要証明書。
※当日券は前売料金+500円(高校生以下は同額)
一般発売日
2023年8月4日(金)
8/4(金)11:00~
チケット取扱窓口
- ロームシアター京都チケットカウンター[窓口・電話 TEL.075-746-3201(10:00~17:00、年中無休 ※臨時休館日等により変更の場合あり)]
- チケットぴあ
年中無休、24時間受付。
KYOTO EXPERIMENT チケットセンター
オンライン |https://kyoto-ex.jp(セブン-イレブン引取)[年中無休・24時間受付]
TEL|075-213-0820(セブン-イレブン引取)
窓口 |京都市中京区少将井町229‐2 第7長谷ビル 6F
取扱時間|平日11:00-19:00(開催期間中は無休)*KYOTO EXPERIMENT チケットセンターではお得なセット券の販売あり。
託児サービス
小さなお子さまをお連れの方も安心してゆっくりと舞台をお楽しみいただけるよう、託児サービスを実施いたします。
下記の申込要領をご確認の上、お申し込みフォームにてご予約ください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeLhA7fvoqICVileIyLng0Jq7Bpka_vKmvxhvPy8Uzw1gLHVw/viewform
委託先:(株)スマイルライフ 京都オフィス(全国保育サービス協会会員)
開催日時:2023年10月1日(日) 12:45~終演15分後まで。
申込締切:開催日の7日前まで *休日含む
託児人数:先着5名様まで。
定員になり次第、受付を終了させていただきますので、予めご了承ください。
●託児内容
0歳2ヵ月~1歳はスタッフとお子さまは1対1で対応。2歳児にはお子さま2名に1人、3歳児以上は3名に1人のシッターがお世話します。
*お子さまのアレルギーなど、不安・疑問はお気軽にお問い合わせください。
●キャンセル料
締切日を過ぎてからのお申込み取消しは、キャンセル料がかかります。
キャンセル料のお支払い方法については別途ご連絡を差し上げます。
★お申込み前のご質問や不安な点がある場合は、下記までお電話ください。
KYOTO EXPERIMENT事務局
(平日11:00-19:00 開催期間中は無休)
Tel: 075-213-5839