先日より公募しておりました、2020年度ロームシアター京都リサーチプログラムのリサーチャーについて、選考の結果、参加者が決定しましたのでお知らせします。
また、昨年度のリサーチャーのうち2名が継続して、同プログラムに参加いたします。
募集内容はこちら
【現代における伝統芸能】
■和田真生(わだ・まお)〈新規〉
京都市出身。東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究専攻後期博士課程在籍。江戸歌舞伎の作劇法、制作過程が主な研究対象。特に、顔見世狂言の作劇を支える“世界”の概念についての考察に取り組む。論文に、「江戸歌舞伎の顔見世と「太平記」の世界」(『歌舞伎 研究と批評』64号、2020年2月)など。本プログラムでは、過去に演劇興行会社で現場に携わった経験も活かし、伝統芸能が現代において常に現在進行形で上演される生物(ナマモノ)であるという側面に注目しながら現代演劇など他ジャンルとの交流を中心にリサーチしたい。
【子どもと舞台芸術】
■小山文加(おやま・あやか)〈新規〉
音楽文化研究者。東京学芸大学大学院(教育学修士)、東京藝術大学大学院修了。大学院アカンサス音楽賞受賞、博士(学術)。2012-14年度アーツカウンシル東京調査員、2015-19年東京藝術大学音楽学部助教。音楽分野の教育プログラムについて研究、「オーケストラ史にみる聴衆と芸術普及活動の変遷」(『文化経済学』6巻3号)などの論文がある。現在は、教育系NPOに勤務しながら教育福祉分野と芸術団体・劇場との連携をテーマに研究に取り組む。国立音楽大学および洗足学園音楽大学非常勤講師、港区文化芸術活動サポート事業調査員などを兼務。
■渡辺健一郎(わたなべ・けんいちろう)〈継続〉
早稲田大学文学研究科表象・メディア論コース修了。フランス現代思想の知見に力を借りて、演劇と哲学の結節点を探求。論文に「ジャン=リュック・ナンシーの上演理論――スペクタクルと共同性をめぐって」など。職歴に塾講師、書店の営業担当。現在は専業主夫をしながら、演劇と教育をめぐる思索を深めている。前年度のリサーチで得られた批判的な演劇教育観を下地に、巷で行われている演劇教育についての、理論的、実践的な問い直しに臨む。
【舞台芸術のアーカイヴ】
■朴 建雄(ぱく・けんゆう)〈新規〉
1991年生まれ。ドラマトゥルクとして舞台芸術の創作現場への関与を重ねる中で、創作と上演における感性的体験とその言語化に強く興味を持つ。日本での舞台芸術の企画制作・創作過程・観客受容における保守性と閉鎖性への問題意識から、本プログラムに参加。舞台芸術で用いられる声・身体・空間を扱う技法をこれからの演劇の作り手と観客に伝える言葉と場を作ることによる、創作過程と観客受容の深化及びより一層の多様化を目指す。
■松尾加奈(まつお・かな)〈継続〉
東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻修了。舞台芸術の稽古場における集団創作のあり方に主眼を置き、自らが現場に入ることで、創作プロセスの記録を試みている。2017年より、官民協働海外留学支援制度トビタテ!留学JAPAN 7期生として、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジWorld Theatresコースに留学、修士号を取得。現在、東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科の教育研究助手。本年度のリサーチプログラムでは、いかにして演劇作品の創作プロセスを公開/共有できるのかを新たに探求したい。
【自由テーマ:華⼈社会における「感染」と「移動」の研究と、新たな上演形態の模索】
■島貫泰介(しまぬき・たいすけ)〈新規〉
美術ライター/編集者。1980年神奈川生まれ、京都在住。『CINRA.net』『美術手帖』などで現代美術、パフォーミングアーツ、ポップカルチャーに関するインタビュー、執筆、企画編集を多数手がける。また、2019年からは捩子ぴじん(ダンサー)、三枝愛(美術家)とともにコレクティブチームを結成し、将来の作品発表のためのリサーチを続けている。