このたび、ロームシアター京都では、機関誌『ASSEMBLY(アセンブリー)』(※)第五号を発行いたします。
第五号の特集は「観光と芸術」です。特集監修は東洋文化研究者のアレックス・カー氏です。
観光に、インバウンドによる経済波及効果、そして文化芸術発信による国際プレゼンスの向上といった側面が期待されて久しくなりました。京都市は、その牽引役としての役割を率先して担っているといえるでしょう。同時に、オーバーツーリズムの問題や、ステレオタイプに回収される文化的アイデンティティの問題など、課題も表面化しはじめています。
奇しくも今号の編集作業中、COVID-19の猛威により観光以前に移動そのものが制限される状況となりました。観光が都市と人びとの移動の関係性であるなら、ポスト・コロナ社会における観光は変容せざるを得ないでしょう。そしてそのとき、文化芸術には何が可能なのでしょうか。
今回の特集は、こうした状況をジャーナリスティックにとりあげるものではありません。
しかし、「観光」の起源を辿りながら、現代の社会における観光の諸課題とその背景、更に劇場のような文化施設との来たるべき関係について多角的に考えていきます。
ASSEMBLY|アセンブリー|京都に劇場文化をつくる| 05
・無料配布
・発行:令和2年3月25日
・配布場所:ロームシアター京都館内、地域文化会館、市内図書館、京都コンサートホール、京都芸術センター、関西圏の劇場・美術館、ほか
※施設によって、早期に配布を終了している場合があります。予めご了承ください。
※ロームシアター京都をのぞく施設での配布開始は5月中旬以降を予定しております。
特集監修:アレックス・カー
編集:橋本裕介、松本花音[ロームシアター京都]、春口滉平[山をおりる]
デザイン:西村祐一+綱島卓也[Rimishuna]
誌面の内容はこちらからご覧いただけます(PDF)
『ASSEMBLY アセンブリー|京都に劇場文化をつくる』05[特集]観光と芸術
【コンテンツ】
[特集]観光と芸術
▶[巻頭対談]アレックス・カー×山出淳也[BEPPU PROJECT] 観光と芸術の現在地
▶「 いま」を考えるトークシリーズ
Vol.9―観光と都市のモビリティそしてアート|阿部大輔×塚原悠也
Vol.10―観光と定住のあいだ̶誰のための“都市デザイン”?|五十嵐太郎×高山明
▶[紹介]世界の観光のいま
▶ [論考]
1―聖なる旅から大衆観光、そして地域文化観光へ̶観光の起源から考える|文=橋本和也
2―インバウンドとストリートデザイン|文=三浦詩乃
3―「観光」と「芸術」の原点回帰̶その国の光を観るための美しい技術|文=木ノ下智恵子
[連載]
▶[ Book Guide]散逸する観光的読書|文=遠藤水城
▶ JeKi[後編]―音楽と社会を結ぶ新たな取り組み|文=清水久莉子
▶ [ Artist Pickup]
07―石上真由子
08―松原俊太郎
▶[連載論考]
▶脱領土化/再領土化から〈破片〉的へ ―あるいは、10年代の上演系芸術を俯瞰する 第四回 文=内野儀
▶ [ Review]
無言でもなお…|文=白石美雪
響きとしての世界、抵抗としての実験|文=八角聡仁
▶ロームシアター京都 2020年度自主事業ラインアップ
▶時評|文=島貫泰介
▶ 橋本裕介の出張日記 ③台北編
※本誌はロームシアター京都自主事業として2017年度より実施しているプログラム「リサーチプログラム」、「いまを考えるトークシリーズ」と連携する機関誌です。「リサーチプログラム」に参加するリサーチャーによる寄稿などを掲載しています。