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2018.3.8

小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXVI「子どもと魔法」小澤征爾氏からデリック・イノウエ氏への指揮者変更のお知らせ

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ラヴェル:歌劇「子どもと魔法」を指揮する予定でした小澤征爾氏(小澤征爾音楽塾塾長・音楽監督)が、小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXVIの全公演を降板することになりました。また、3月13日(火)の「子どものためのオペラ」での“お話”も、同じく降板いたします。小澤氏は病院で検査を受けた結果、3月2日(金)に「大動脈弁狭窄症」であることがわかり、主治医より、精密検査と治療のため約1ヶ月の入院を要するという診断を受け、治療に専念することにいたしました。

小澤氏の降板に伴い、デリック・イノウエ氏がラヴェル:歌劇「子どもと魔法」を指揮いたします。デリック・イノウエ氏は、桐朋学園在学時より小澤氏の薫陶を受け、信頼も厚く、2017年のセイジ・オザワ 松本フェスティバル(OMFオペラ、子どものためのオペラ)では「子どもと魔法」を指揮しております。プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」は、予定どおりジョセフ・コラネリ氏が指揮いたします。

小澤氏の指揮によるこの度の公演を心待ちにしてくださっていた皆様には、心からお詫びを申し上げます。小澤氏も、自身が大切にしライフワークとしているこのプロジェクトを、自らの指揮でお披露目できないことを非常に残念に思われています。ご迷惑、ご心配をおかけいたしますが、小澤氏の体調が回復し、音楽や教育活動に力を注ぐ姿をお待ちいただければ幸いです。

なお、指揮者変更によるチケットの払い戻しはございません。何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。
些少ながらお詫びといたしまして、ご来場の皆様には、販売を予定しておりました公式プログラム(2,000円相当)をお渡しさせていただきます。

【今回の公演の指揮者は、次のとおりです】
ラヴェル:歌劇「子どもと魔法」  指揮:(変更前)小澤征爾 ⇒(変更後)デリック・イノウエ
プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」  指揮:ジョセフ・コラネリ(変更なし)
今回の指揮者変更に関するお問い合わせは、次の専用ダイヤルにてお受けいたします。

専用ダイヤル:0120-002-201

受付時間:10:00~18:00
受付期間:3月8日(木)~3月25日(日)

 

公演の詳細はこちら

 

【岡田正人医師のコメント】
小澤さんは、消化器系の検査では大きな問題はありませんでしたが、循環器系の検査で大動脈弁狭窄症の進行が認められました。心臓から全身に血液を送り出す重要な部位が狭くなっている状態です。現時点での指揮活動は心臓への負担が懸念されるため、まずは大動脈弁狭窄症に対する治療を優先すべきであると考えます。
今後、どのような治療が最善かを判断するために精密検査を行い、実際に治療を行い退院するまでに1ヵ月程を要しますが、小澤さんは今後の活動のため体力が落ちないように入院中のリハビリにも積極的に取り組んでいます。治療が一段落し暖かくなる頃には、体力も回復し音楽活動を再開できると考えます。

聖路加国際病院
岡田正人

 

【小澤征爾塾長・音楽監督のコメント】
この度は、「子どもと魔法」の指揮をできなくなってしまって、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。楽しみにしてくれていたお客様に、心から深くお詫び申し上げます。
私自身も、とても残念な気持ちでおりますが、また皆様の前で指揮をするためにも、今は治療に専念し、体力の回復に励みたいと思っております。
小澤征爾音楽塾は、若い音楽家たちに一流のオペラに触れて、肌で感じて勉強できる場を作りたいと思って始めたプロジェクトです。ローム株式会社の佐藤研一郎社長(当時・現名誉会長)が、私の想いに熱く賛同し、支援をしてくれて2000年にスタートしました。親友のデイヴィッド・ニースがニューヨークから駆けつけ、演出をやってくれて、世界中で活躍する歌手たちが来てくれて、それと長年の仲間の音楽家たちが先生としてオーケストラの若い生徒たちを熱心に指導してくれるこのプロジェクトを、本当に大切に思っています。この活動を見守って、支えてきてくれた、たくさんのお客様お一人お一人に感謝をしています。
今回指揮を振れなくても、自分がやりたかったことを長い間一緒にやってきた、素晴らしい仲間たちがオペラをつくってくれているので、絶対に素晴らしい作品になります。皆様には、私のたくさんの想いが詰まったこのプロジェクトの成果を、心から楽しんでもらえたら本当に嬉しいです。

小澤征爾

 

【デリック・イノウエ氏のプロフィール】
カナダ生まれの指揮者デリック・イノウエは、印象深く国際的な経歴とオーケストラの指揮経験を豊富に持ち、またオペラの世界においても輝かしい成果を挙げている。2003年にメトロポリタン・オペラ(MET)でベルリオーズ《ベンヴェヌート・チェッリーニ》の新演出を指揮しデビューを飾って以来、プッチーニ《トスカ》、ドニゼッティ《ドン・パスクアーレ》、ベルリオーズ《ファウストの劫罰》、ワーグナー《ワルキューレ》、《ジークフリート》などを指揮、メット・イン・ザ・パークスでの《椿姫》公演も指揮している。2001年から2003年には、ニュールンベルグ・オペラの第1カペルマイスターを務めた。その他、シュトゥットガルト・オペラ、イングリッシュ・ナショナル・オペラ、ニース・オペラ、ニューヨーク・シティ・オペラ、バンクーバー・オペラ、MDR響、フィンランド放送響、ホノルル響、セント・ルークス管、トロント響、バンクーバー響等としばしば共演。また、カナダのレジナ交響楽団の音楽監督も務めた。日本においてはこれまでに、新日本フィル、大阪フィル、京響、兵庫芸術文化センター管、名古屋フィル、仙台フィル、札響、広響、群響等と共演。セイジ・オザワ 松本フェスティバルにも招かれている。デリック・イノウエは、1985年に名誉あるヴィットリオ・グイ指揮コンクール(フィレンツェ)で優勝、その後3年の夏をかけてシエナ(イタリア)のアカデミア・ムジカーレ・チギアナにおいて国際的に有名なフランコ・フェラーラに師事。1982年には、タングルウッドで、小澤征爾、エーリヒ・ラインスドルフ他のもとでフェローシップ・コンダクターを務める。初期の指揮法は小澤征爾、秋山和慶、尾高忠明のもとで日本の桐朋学園大学音楽学部において学んだ。