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#インタビュー#2021年度

Artist Pickup Vol.14

柄本弾

インタビュー・文=松本花音
2021.11.15 UP

©Shoko Matsuhashi

京都が誇る若きバレエの伝道師

2019年12月の「くるみ割り人形」の王子役や、2021年7月の東京バレエ団 HOPE JAPAN 2021において「ボレロ」メロディ役でメインホールの舞台に立った、京都出身のバレエダンサー柄本弾。京都会館の舞台に立っていたバレエ少年は、国内有数のバレエ団・東京バレエ団のプリンシパル(最高位ダンサー)となって故郷へ錦を飾った。

京都市伏見区で生まれ育った三兄弟の末っ子。5歳のとき兄姉の影響でバレエを始め、本格的にプロを志したのは高校1年生の冬。コンクール受賞歴のある同世代の男子達と同じ舞台に立ち、レベルの差を実感したことがきっかけだった。18歳で同郷の先輩プリンシパル・高岸直樹(宇治市出身)に影響を受け東京バレエ団に入団。めきめきと頭角を現し、入団時に立てた目標「5年でソリスト、7年でプリンシパル」を2年も早く達成したが、その功績に甘えることなく「努力するのは当たり前。その姿をみてもらえていたのは運がよかった」といたって謙虚だ。

いまや古典のみならずベジャールやノイマイヤー、プティなど世界的振付家の作品をレパートリーに持ちながら、NHK Eテレ「旅するフランス語」出演などメディアでも活躍めざましい。直近では金森穣振付の世界初演作「かぐや姫」では物語を先導する主役の1人に挑みつつ、他の作品では団員の指導にも関わり、バレエ団を牽引する存在だと自認する。

「日本はバレエを習う人や教室の数は多いのに、鑑賞する人がまだまだ少ないと感じます。僕をきっかけにバレエを観る人を増やすことができれば、本番の数は増え、ダンサーの成長のチャンスも多くなる。それがバレエ界全体の発展にもつながるはず」。つねに上を目指すその姿勢は、「僕のことを待っていてくれたかのような温かさを感じる」というロームシアター京都の客席はもちろん、日本のバレエを志す若者たちに、少なからぬ影響を与えていくだろう。

  • 柄本弾

    🄫Nobuhiko Hikiji

    柄本弾 Dan Tsukamoto

    東京バレエ団プリンシパル。京都市生まれ。5歳からバレエを始め、2008年に東京バレエ団へ入団、『ドナウの娘』で初舞台を踏む。2010年1月、『ラ・シルフィード』で主役を射止め、同年4月には『ザ・カブキ』に主演した。2013年よりプリンシパルを務める。

  • 松本花音(ロームシアター京都)
    松本花音(ロームシアター京都) Kanon Matsumoto

    ロームシアター京都 広報・事業企画担当/Spin-Off・機関誌「ASSEMBLY」編集担当。横浜市出身。早稲田大学卒業後、株式会社リクルートメディアコミュニケーションズにて広告制作およびメディア設計に従事。舞台芸術業界に転向し、国際舞台芸術祭フェスティバル/トーキョー制作・広報チーフ(2011-13年)、パフォーミングアーツ制作会社勤務を経て2015年より現職。

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