第六号の特集は「記録、記憶、アーカイヴ」です。
デジタルメディアとインターネットの発達によって、誰もが何かを記録し、公開できる時代になりました。
こうした時代において、それまでは大文字の歴史に隠れていた市井の人びとの視点による歴史が語られるようになっています。
他方で、ここ数年にわたり公文書の保存の問題が顕在化し、民主的な社会基盤を支えるための記録の重要性に関する課題も同時に浮かび上がっています。
そうした状況と芸術の実践は、どのように関わっているのでしょうか。
劇場という舞台芸術の場に目を向けると、ライブ(生)であるがゆえに形を持たない舞台作品をいかにして記録するか、とりわけ近代以降、60年代の前衛の実践者たちのアーカイヴについてつねに課題として問われています。
本誌を通じ、記録を、記憶を、アーカイヴを、現代の芸術文化のための生きた歴史としてどうつないでいくことができるのかを考えます。
ASSEMBLY|アセンブリー|京都に劇場文化をつくる| 06
・無料配布
・発行:令和3年3月25日
・配布場所:ロームシアター京都館内、地域文化会館、市内図書館、京都コンサートホール、京都芸術センター、関西圏の劇場・美術館、ほか
※施設によって、早期に配布を終了している場合があります。予めご了承ください。
※ロームシアター京都をのぞく施設での配布開始は5月以降を予定しております。
編集:橋本裕介、松本花音[ロームシアター京都]春口滉平、中塚大貴[山をおりる]前田瑠佳
デザイン:西村祐一+綱島卓也[Rimishuna]
企画協力:長尾真(元京都市音楽芸術文化振興財団理事長、元京都大学総長、元国立国会図書館長)
誌面の内容はこちらからご覧いただけます(PDF)
『ASSEMBLY アセンブリー|京都に劇場文化をつくる』06[特集]記録、記憶、アーカイヴ
【コンテンツ】
[特集]記録、記憶、アーカイヴ
▶[巻頭座談]舞台芸術アーカイヴの現在―高等教育機関における実践と課題|赤間亮×後藤隆基×砂山太一×森下隆・石本華江×福島幸宏
▶[付記]アーカイヴと創造をつなぐ試み-舞台芸術をめぐる事例から|文=新里直之
▶[座談会]自分であってあなたでもある身体へ-アーカイヴと身体について|高嶋慈×砂連尾理×甲斐賢治
▶[論考]
1―情報公開制度の持つ力を考える|文=瀬畑源
2―デジタルアーカイヴという歴史認識|文=吉見俊哉
▶[コラム]アーカイヴとしての祭り―祇園祭の場合
[連載]
▶[Book Guide]アーカイヴに立ち入る前に|文=藤井光
▶リサーチプログラム2019年度最終報告会レポート
▶地域の課題を考えるプラットフォーム公開勉強会「“ みんな”のロームシアター京都を目指して」レポート
▶[Artist Pickup]
09―桂華紋
10―山城大督
▶[連載論考]脱領土化/再領土化から〈破片〉的へ ―あるいは、10年代の上演系芸術を俯瞰する 第五回 文=内野儀
▶[Review]多様なるメディアを一体化したアーカイヴ展―「ダムタイプ|アクション+リフレクション」展|文=建畠晢
▶[時評]2020年の舞台芸術を考える(1)|文=岩城京子
※本誌はロームシアター京都自主事業として2017年度より実施しているプログラム「リサーチプログラム」、「いまを考えるトークシリーズ」と連携する機関誌です。「リサーチプログラム」に参加するリサーチャーによる寄稿などを掲載しています。