クラブカルチャー、民俗芸能をダンス・アートに混ぜ合わせ、あらゆるタブーに切り込む、いまダンス界で最も熱いアーティスト・デュオのベンゴレア&シェニョーの振付。バレエの代名詞であるポワント(爪先立ち)技術の刺激的な再解釈が、フィリップ・グラスのミニマルな音楽に溶け合い崇高な次元へ観客を誘う。
パリ国立高等音楽・舞踊学校に学んだフランソワ・シェニョーと、ブエノスアイレス大学で舞踊や哲学を学んだセシリア・ベンゴレア。2005 年ダンスカンパニー“Vlovajob Pru”を立ち上げ、飽くなき対話を通じて、知的かつ躍動感あふれる鮮烈な作品を生み出している。2009年パリの批評家による新鋭舞踊家賞を受賞。2014年の光州ビエンナーレではそれまでの活動が評価され、新進アーティスト賞を受賞。フェスティバル・ドートンヌ、アヴィニヨン演劇祭、KYOTO EXPERIMENTなど多くの国際舞台芸術祭で作品を発表し、高い評価を得ている。
バレエ・ダンス界に革命をもたらした鬼才フォーサイスの初期の名作。官能的な弦の調べと意味をはぎ取られたストイックな動き、時折現れるミステリアスな仕草が混然とし強い印象を生む。
ニューヨーク生まれ。ジャクソンヴィル大学でダンスを学んだ後、ジョフリー・バレエ団に入団。アメリカン・バレエ・シアター時代に学んだジョージ・バランシンの複雑で抽象的なスタイルに影響を受け、数々の振付を手がける。1984年フランクフルト・バレエ団の芸術監督に就任。ハイスピードかつ複雑なパで構成される作品は高い評価を得て、1985年に「STEPTEXT」を発表すると、カンパニーの評判は瞬く間に知れ渡る所となる。2005年ザ・フォーサイス・カンパニーを設立。精力的な活動を続け、2010年ベネチア・ビエンナーレ金獅子賞を受賞。フォーサイスが手がけた作品はマリインスキー・バレエ、ニューヨーク・シティ・バレエ、ロイヤル・バレエ団、パリ・オペラ座バレエ団など世界中のダンスカンパニーのレパートリーとなっている。
ニューヨークで展開したポストモダンダンスの巨匠カニンガムの代表作の一つ。モダン・ダンスの感情表現を排除し、音楽と純粋に切り結ぶダンスを追求、洗練させたカニンガムのスタイルを示す作品。
ワシントン生まれ。コーニッシュ芸術大学で舞踊と演劇を学んだ後、マーサ・グラハム・ダンスカンパニーに入団。1944年にソロ作品を発表、1953年にはマース・カニンガムダンスカンパニーを設立。数多くのコラボレーションの中でもジョン・ケージとの長年のコラボレーションは、ダンスと音楽の関係性から、「ダンスとは何か」を問い、様式にこだわらない多彩なダンスを生み出した。アメリカの前衛芸術を牽引した20世紀で最も重要な振付家の1人であるカニンガムは、ポストモダンダンスの興隆に大きな影響を与えるだけでなく、コンテンポラリー・アートやパフォーミング・アートにも大きな影響を与えた。代表作に「夏の空間」(1958)、「SOUNDDANCE」(1974)などがあり、パリ・オペラ座など世界中のダンスカンパニーのレパートリーとなっている。グッゲンハイム財団賞、フランス文化省文化芸術功労賞、高松宮殿下記念世界文化賞など、権威ある芸術賞をいくつも受賞している。
22日(土)公演では、託児サービスがご利用いただけます。詳細はロームシアター京都までお問合せください。
場 所: | ロームシアター京都 サウスホール ※アクセスはこちら |
---|---|
チケット: | 全席指定 一般 6,500円 / ユース(25歳以下)4,000円
※ユースチケットをご購入の方は、公演当日、証明書のご提示が必要です。 ※未就学児入場不可 |
主 催: | ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)、京都市 |
---|---|
助 成: | 文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)/独立行政法人日本芸術文化振興会、アンスティチュ・フランセ パリ本部、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本 |
お問合せ: | ロームシアター京都チケットカウンター TEL.075-746-3201 |
1968年北仏アミアンで設立されたフランス初の現代振付作品の上演を専門とするバレエ団。バレエ・テアトル・コンタンポランが1978年ナンシーに移転、バレエ・フランセ・ナンシー、国立ナンシー・ロレーヌ・バレエの改称を経て、1999年国立振付センター(CCN)加入時から現名称。2011年に芸術監督に就任したピーター・ヤコブソンはスウェーデン出身で、元スウェーデン王立バレエ団芸術監督。ダンサー時代に英国でクラシックを、NYでトワイラ・サープ、マース・カニンガム等ポストモダンを踊った経験を活かし、20世紀バレエの歴史的作品から現代の実験作まで魅力的なプログラムを提案している。確かなテクニックと豊かな音楽性、自在な表現力を兼ね備えたダンサーが所属し、日本人も活躍している。
20世紀後半から現代の前衛的な作品の上演に定評があり、ヨーロッパのコンテンポラリーバレエ界を牽引するロレーヌ国立バレエ団が、厳選3作品を上演。ポストモダンダンスの巨匠カニンガム振付『SOUNDDANCE』、バレエを脱構築した鬼才フォーサイス振付『STEPTEXT』、いまヨーロッパで最も注目されるベンゴレア&シェニョー振付の日本初上陸作品『DEVOTED』の3作品は、コンテンポラリーバレエの面白さを楽しめる充実のプログラム。さらに『STEPTEXT』は1991年「ウィリアム・フォーサイスとフランクフルト・バレエ団 日本公演」として京都会館で上演された歴史を持ち、今回リニューアルオープンしたロームシアター京都に27年ぶりに再上陸します。日仏交流160周年、京都・パリ友情盟約締結60周年という記念すべき年に京都で行われる公演に、どうぞご期待ください。
今回のロレーヌ国立バレエ団の上演作品はバレエに対してのアンチとして生まれた米国モダン・ダンスの重要な振付家マース・カニンガム作品、バレエの「パ」に基づきながらそれをさらに引き延ばしたり、ねじったりすることで発展させてみせたウィリアム・フォーサイス作品、そしてバレエのステップも使いつつより広い文化圏から取り入れた動きを自在に組み合わせて作品世界を構築するセシリア・ベンゴレア&フランソワ・シェニョー作品。いずれもいわゆるバレエから一歩進んだ私達の時代に生まれた作品です。バレエを踊るための訓練を重ねた身体から生まれる新しい、「現在」の作品は時代と共に移り変わります。バレエは旧来の作品とこうした新しい作品の両方の魅力があってしかるべきもの、というのが今の世界的なバレエの認識です。今回の3作品は日本ではなかなか見られないラインナップというだけではなく、バレエ団としても来日することは稀です。
本公演はフランスの「現在」バレエの最先端に触れるまたとない機会となるでしょう。
<芳賀直子(舞踊史研究家)>
※ユースチケットをご購入の方は、
公演当日、証明書のご提示が必要です。
©LaurentPhilippe