木ノ下歌舞伎「糸井版 摂州合邦辻」

木ノ下歌舞伎「糸井版 摂州合邦辻」

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あらすじ

大名・高安家の跡取りである俊徳丸は、才能と容姿に恵まれたがゆえに異母兄弟の次郎丸から疎まれ、継母の玉手御前からは許されぬ恋慕の情を寄せられていた。そんな折、彼は業病にかかり、家督相続の権利と愛しい許嫁・浅香姫を捨て、突然失踪してしまう。しばらくして、大坂・四天王寺に、変わり果てた俊徳の姿があった。彼は社会の底辺で生きる人々の助けを得ながら、身分と名を隠して浮浪者同然の暮らしをしていたのだ。そこに現れる、浅香、次郎丸、玉手と深い因縁を持つ合邦道心。さらに、誰にも明かせない秘密を抱えたまま消えた玉手が再び姿を見せた時、物語は予想もしない結末へと突き進む。

『摂州合邦辻』とは

安永2年(1773年)に大坂で初演された菅専助(すがせんすけ)作の浄瑠璃作品。古くから民間に伝わる「しんとく丸伝説」を下敷きに、能の『弱法師』や説経節の『しんとく丸』『愛護の若』などの要素を複合させた脚色が施され、人気を博した。主な役名に実在の地名を当てはめるなど、舞台である大坂との繋がりを意識した内容になっている。