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東アジア文化都市2017京都「アジア回廊」文化芸術による相互理解とコミュニケーションの可能性

「東アジア文化都市」とは、日本・中国・韓国の各国政府から選定された都市が、文化の力で東アジアの相互理解を促進し、開催都市の更なる発展を目指す事業で、1年を通して文化芸術のイベントや交流が行われる。
2017年は京都市が中国・長沙市、韓国・大邱広域市とともに開催都市に選ばれ、伝統的な文化芸術、舞台芸術、現代美術、音楽、マンガ・アニメなど、多様なイベントを開催。特に「アジア回廊 現代美術展」や、ロームシアター京都がメイン会場となる「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2017」等が、コア期間となる8月から11月にかけて大規模に行われる。

「アジア回廊」アーティスティック・ディレクター 建畠晢 メッセージ

<アジア回廊>という言葉には、東アジア文化都市のプロジェクトがさまざまな地域の文化芸術の豊かさに直接に触れ、感動を共にする場となり、またそのことが少しでも寛容で融和な社会の形成に寄与するものであってほしいという願いがこめられています。<アジア回廊>の回廊とは単に移動することだけを目的とするのではなく、むしろそこを巡り歩くこと自体を楽しむことができるような魅惑に満ちた場所なのです。世界文化遺産でもある主会場の二条城の建物や庭園がほぼ回廊式、回遊式に連なるように配置されており、観客もその広大な城域の各所に展示された作品群をループ状に巡り歩いて鑑賞するという順路のあり方が、期せずして「アジア回廊」の理念のメタファーをなしているといってもよいでしょう。そこにはお互いに文化風土を異にするアーティストたちの作品とのいくつものワクワクするような出会いがあるに違いありません。

<アジア回廊>は美術館における展覧会などとは違って、京都ならではの時間の陰影を深く宿した場所で開催されるアートの祝祭です。その会場にはテーマパークのようなシミュラークルでの祝祭とは対極的に、日本の近世や近代の現実の歴史が息づいており、現地に出向いて制作するアーティストたちの想像力を大いに触発することが期待されます。先端的、実験的な表現と重厚な伝統の厚みとの共存は、京都で開催されるプロジェクトでなければありえない、不思議な雰囲気を醸し出して私たちを魅了してくれるでしょう。

周知のように、今、世界では排他的で偏狭な思想が渦巻き、テロや紛争も絶えることがありません。しかしこうした時だからこそ文化芸術による相互理解とコミュニケーションの可能性を推し進めようとする東アジア文化都市の、そして<アジア回廊>の理念を掲げることの意味は大きいといわなければなりません。多くの方々の来場を心待ちにしています。

東アジア文化都市2017京都 コア期間事業「アジア回廊」 アーティスティック・ディレクター 建畠 晢

「アジア回廊 現代美術展」 久門剛史《風》(2017) 二条城 東南隅櫓での展示風景 撮影:来田猛
「アジア回廊 現代美術展」 久門剛史《風》(2017) 二条城 東南隅櫓での展示風景 撮影:来田猛
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